2007.12.05 Wednesday
エッセイ わが街わが友 (最終回) ニューヨーク
2003年の10月、私は、夫の赴任でNYに移り住んだ。
仕事は、日本と往復でするが、NYでは、駐在員の妻。
ダンスを習い、美術館にも行き、オペラやミュージカルも観る。
正に、芸術三昧の毎日。
生まれて初めて、油絵も始めた。
意外にも先生に「グレイト!」と賞賛され、展示会に出してみたら絵も売れて驚いた。
次々と絵画がリビングの壁を埋めていく。
ある日、並んだ絵を見ながら、ハタと気がついた。
「 私がNYで残すものは、コレだったのかな・・ 」
女優として、残すものは、他にあるはず。
あの作品、私が脚本を書き、上演した二人芝居。
「 私とわたしとあなたと私 」
その日から、友人達と英訳をし、プロダクションに持ち込む、長い闘いが始まった。
日本から多くの作品がNYに来て、凱旋していく。
でも大半は、NYに住む日本人の為のもので、アメリカ人は、まず観ない。
大人の為の芝居「私とわたしとあなたと私」は、必ずニューヨーカーの心も掴むはず。
脚本を読んだプロデューサーは大きく頷き、公演への道を引き受けてくれた。
「私とわたしとあなたと私」は、「I and Me & You and I」と名前を代え、
まずは、「リーディング」と呼ばれる朗読会を、2006年の4月に行なった。
本読みをし、その反応如何で、本番への道が開ける。
作品は無事、ステージへの切符を手に入れることができた。
演出は、アメリカ人。
相手役はオーディションを勝ち抜いた女優。
「I and Me & You and I」は、今、NYの舞台にデビューした。
しかも、オフ・ブロードウェイの劇場。
夢の、オフ・ブロードウェイ!
思い起こせば、大学時代「教師」の内定を断り、「劇団」に入り、
フジテレビ「アナウンサー」の寄り道はしたけれど、
このオフ・ブロードウェイの舞台に立つ為に、私は今まで、歩んできたのかな・・・。
人生というのは、本当に、「一本」に繋がっている。
**************************************
( 東京新聞 2007 11/29 掲載 )
仕事は、日本と往復でするが、NYでは、駐在員の妻。
ダンスを習い、美術館にも行き、オペラやミュージカルも観る。
正に、芸術三昧の毎日。
生まれて初めて、油絵も始めた。
意外にも先生に「グレイト!」と賞賛され、展示会に出してみたら絵も売れて驚いた。
次々と絵画がリビングの壁を埋めていく。
ある日、並んだ絵を見ながら、ハタと気がついた。
「 私がNYで残すものは、コレだったのかな・・ 」
女優として、残すものは、他にあるはず。
あの作品、私が脚本を書き、上演した二人芝居。
「 私とわたしとあなたと私 」
その日から、友人達と英訳をし、プロダクションに持ち込む、長い闘いが始まった。
日本から多くの作品がNYに来て、凱旋していく。
でも大半は、NYに住む日本人の為のもので、アメリカ人は、まず観ない。
大人の為の芝居「私とわたしとあなたと私」は、必ずニューヨーカーの心も掴むはず。
脚本を読んだプロデューサーは大きく頷き、公演への道を引き受けてくれた。
「私とわたしとあなたと私」は、「I and Me & You and I」と名前を代え、
まずは、「リーディング」と呼ばれる朗読会を、2006年の4月に行なった。
本読みをし、その反応如何で、本番への道が開ける。
作品は無事、ステージへの切符を手に入れることができた。
演出は、アメリカ人。
相手役はオーディションを勝ち抜いた女優。
「I and Me & You and I」は、今、NYの舞台にデビューした。
しかも、オフ・ブロードウェイの劇場。
夢の、オフ・ブロードウェイ!
思い起こせば、大学時代「教師」の内定を断り、「劇団」に入り、
フジテレビ「アナウンサー」の寄り道はしたけれど、
このオフ・ブロードウェイの舞台に立つ為に、私は今まで、歩んできたのかな・・・。
人生というのは、本当に、「一本」に繋がっている。
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( 東京新聞 2007 11/29 掲載 )
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