2014.08.22 Friday
NY 変わったこと 変わらないこと
友人の関係する劇団「風雲かぼちゃの馬車」が、
NYのフリンジフェスティバルに参加することになり
急遽思い立ち、ニューヨークへ飛んだ私
思いもかけず、自分の足跡を辿るかのような旅になった
劇団の芝居は好評で、NYタイムズにも掲載されたとのこと
日本人として、誇らしく、嬉しかった
上の写真は、千秋楽を終え
劇場の前で、互いに慰労する劇団員達
ホント、お疲れさまでした!
NYで芝居をするのは、本当にタフなことだもの
偶然にも、この小屋のはす向かいが
私が、2007年にオフブロードウェイ公演した劇場
ブリーカーズシアター
でも、前に立って、驚いた
すっかり、名前も変わり、別の劇場になってしまっていた
・・・そうね・・・
仕方ないね
あれから、7年も経つのだもの
私が、ニューヨークに住んだのは
2003年から2008年の、5年間
驚くように色んなことがあった5年間だった
愛犬二匹も、NYで天に召され
絵や写真や乗馬の学校に行ったり
何よりも、オフブロードウェイで、英語での舞台公演
楽しいことも、辛いことも、苦しいことも
濃密で凝縮の5年間
そのNYを離れてから、6年も経ってしまったんだね
この劇場のように
全てが変わってしまっても、仕方ない
と
覚悟したのだけれど
実は、変わらないものの方が、多かった
タイムズスクエアも、街の様子も
安いものを屋台で売るストリートフェアも
コリアン街の、おいしいソーロンタンのスープも
中華街の蟹味噌入り小籠包も
前とおんなじ
いつも食べに行ったメリディアンホテルの
ハンバーガーショップも変わらない
働いているヒスパニックの店員も、顔なじみの女性
56丁目と7の角の、黙々と働く屋台のおじさんも同じ
彼等の様子を、そっと眺めながら
からだの芯が、じんじんと懐かしんだ
毎日、愛犬ジェシカを連れて散歩した、
セントラルパークの切り株が同じままで
胸が熱くなりながら
私が住んでいたアパートの前に行ってみた
あ、ロバートだ!
見知ったドアマンが、誰かと話している
こちらを見たら「 私のこと、覚えてる?」と
聞いてみようと、身構えていたら
振り返った瞬間、ロバートが叫んだ
「 オ〜、なんと、なんと、なんと、久しぶり〜!!」
手を大きく広げ、抱きしめてくれた
中に入ると、知っているドアマンやコンシェルジュ達
みんな、すぐに懐かしい笑顔になり
同じように、抱きしめてくれる
マークも、デイビッドも、ルイスも
2003年に、初めてNYに入った時に迎えてくれた彼
愛犬のジェシカが体調悪く、病院に行く時、
必死になって、タクシーを停めてくれた彼
色んな思い出が、彼等の笑顔と共に蘇って
涙が、バラバラ落っこってしまった
「 さよなら、また・・・いつか、ね 」
こんなにも長い間、彼等は、同じ場所で、
ドアマンとして、誇りを持って働いている
もう二度と会えるかどうかわからないけれど
再会したことは、最高に幸せだった
グスグスと、涙を抑えながら歩いていたら
また驚いた光景が・・・
いつも、6アベニューの角にいたホームレスおじさん
彼が、同じ彼が、そこに座っていたのだ
私がNYに着いた日に、初めて見たホームレス
彼は、暑い日も、雪の日も、そこにいた
確かに年は取ってしまって、
歯も1本になってしまっていたけれど
相変わらず、訳のわからないこと呟いてるけど
紛れもない、あのおじさんだ
ジェシカを散歩させていると
必ずジェシカに、ぶつぶつ優しく囁いてくれたね
ありがとうね、おじさん
ここにずっといてくれたんだね
ありがとう
別に、私を待っていてくれた訳でもないのに
もう、涙、止まらなくなっちゃった
結局、ニューヨークは
ニューヨークの人達は、変わっていなかった
変わったのは、私
私は、もう、ここの住人ではないと言うこと
5年間、本当に、良く頑張ったよね
そんな自分を、思い出した
・・・また、がんばってみようよ・・・
何をがんばるのか、わからないけれど
がんばろう
生きること、かな
生きること、がんばろうよ
と
思えた旅だった
ありがとう
ニューヨーク
・・・また、いつか、会えるまで・・・