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エッセイ  わが街わが友 8 晴海埠頭
「オレたちひょうきん族」で人に知られるようになった私は
アナウンサーにも関わらず
ドラマにも引っ張り出されるようになった
もともと役者だった昔の思いもあり、
その後、私は、フジテレビを退社した

フリーになって三年経過した1988年、
私は、印象的な初舞台を踏むことになる
銀座セゾン劇場 「きらら浮世伝」(横内健介作)
江戸時代、写楽を世に出した蔦谷重三郎という版元の話だ
主役の中村勘九郎(現・勘三郎)さん、
中村浩太郎(現・扇雀)さんら歌舞伎界を始め
川谷拓三さんや美保純さんに加え
若松武さんら小劇場出身者もいて
多彩な役者が、勢ぞろい!
しかも、演出の河合義隆監督を囲んで
商業演劇にもかかわらず
まるで小さな劇団のように、
密な稽古が勝どきスタジオで、毎日行なわれた
「 密な 」というのは、どういうものか? 
要は、出番がなくても、全員が精魂尽きる程、稽古に参加し
稽古の後は近所の酒屋のカウンターで毎日立ち飲み
議論し明かす
情熱舞台の勢いが、そのまま酒屋まで飛んで
熱い仲間になっていた

ある夜のこと
その日はお酒を飲まなかった浩太郎さんが運転をし
勘九郎さん、若松さん、河合監督と
真夜中のドライブに繰り出した
皆、大酔っ払い! 
晴海埠頭で行き止まりになった
「 車ごと海に飛び込もう! 」
・・・ 誰が発案したのか ・・・
最初は、ワハハワハハ・・・
冗談だったのに、だんだん興奮高まり、車外へ!
真剣に、暗い東京湾に向かって叫ぶ!
「 行くぞ〜! 」
「 飛び込め〜! 」
暗闇の埠頭に、ガンガンしっかり響き渡る声
突然
素面の浩太郎さんが、顔を真っ赤にさせて、激怒した!
「 いい加減にしろぉ〜! 」

シュンと、酔っ払い達は萎んだ。

今でも、勘三郎さん、扇雀さんに会うと
この真夜中の乱痴気ドライブの話が出る
本当に一歩間違ったら
日本は、大切な国宝をなくしていたかもしれない・・・
暗闇の晴海埠頭、懐かしいな・・・

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( 東京新聞 2007 11/27 掲載 )

エッセイ | 00:29 | comments(2) | trackbacks(0)

Comment:
2007/12/03 3:24 AM, じゅん wrote:
\(▽ ̄\)〜♪懐かしいです。
横内さんも元気ですよ。黒子だった六角さんは売れっ子です

も20年たったんですねーーー!

今だに思い出キララですよ 
2007/12/06 4:13 AM, michi wrote:
じゅんちゃん、
本当に毎日、酒屋さんのカウンターで飲み明かしたけれど、
晴海埠頭の夜だけは、どういうわけか、一緒じゃなかったね
あの舞台、私達にとって、ホント、忘れられないキララだよ
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