オフ・ブロードウェイの劇場で
、「 The Seagull 」( かもめ )を、観た
学生の頃、何度も、何度も、戯曲で読んだ、チェーホフの作品
当時、どこかの新劇劇団の上演も、観ているはずなのだけれど、
私の中では、本の中に書かれた作品の方が、記憶に残っている
「 私は、女優 ・・・ 私は、かもめ!」と、ニーナが叫ぶセリフ
女優志望だった若い私の目の奥に、色褪せた文庫本の文字が、鮮やかに焼き付いていた
今回の、チェーホフ「
かもめ 」
演技派女優の、ダイアン・ウィーストと、個性派俳優、アラン・カミングが出演
劇場は、まるで、大きな立方体の箱のような空間、
その三方を囲むように、コの字型に客席が配置されている
もう、目の前、鼻の先で、芝居がされるのだから、観客も緊張しながら、ゾクゾクだ
セットも、床にパネルが敷かれ、明かりの反射、ゆるやかな風、計算つくされている
俳優アラン・カミングは
昔、観光でNYに来た時に観た、ミュージカル「キャバレー」に出演しているのを見て
すっかり、そのエキセントリックな個性に惹かれてしまった
その後、映画にも多く登場しているが、
「タイタス」というシェイクスピアの映画の中では、特にアランらしさを発揮してたね
今回の「かもめ」も、芝居タップリに演じてくれて、クサイと言えば少しクサイいけど
でも、芝居には、チョイ「クササ」は、必要だよ
ただの、自然なモノを見たいのなら、喫茶店で、外を眺めていればいいのだから・・
女優ダイアン・ウィーストは、さすが圧倒的な存在感と、演技力で、感嘆した
でも、哀しいかな ・・・ 少し、肉体の年齢が高すぎる
本当は、40代前半の大女優の役柄だけど、
すっかり中年太りしている体は、円熟しすぎて、「過去」の大女優に見える
恐らく、ブロードウェイの大きな舞台なら、却って、ドッシリ感が活かされるが
目の前、30cmの距離で見ると、太い丸太棒のようなウエストが気になって仕方ないよ
・・ なぁんてさ、よくもまあ、好き勝手なこと、つらつらと ・・
・・・・・ フフフ ・・・・・
役者は、目の前に観客を置きながら、足先指先まで、集中力も途切れず、演じる
観客は、その芝居のエネルギーの放射を、まともに、ジンジン受けられる
本当に、幸せな空間の、劇場だった
写真は、ロイター通信とNYタイムズより
「
The Seagull 」は、4月13日まで、Classic Stageにて、上演中