電気屋さんにて 路上のピアニスト
pianist

有楽町の、大手家電店に行ったら
電子ピアノ売り場で、ピアノを弾いている人がいた
それはもう、驚く程、素晴らしい演奏で、まるでコンサート!
しかも弾いているのは、マスクをかけた年配のおじいさん
工事現場の方にも思えるし、失礼ながらホームレス風にも見える

でも、誰も振り返らない
私も人波に押されてエスカレーターに乗ってしまったけど
もう一度、下りエレベーターに乗り換えて、ピアノ売り場に戻った
何か話しかけたいけど、人を寄せ付けない程、集中して弾いている
そっと後ろから、写真を撮らせていただく
意外なのは、立ち止まって演奏を聞く人は、私だけだったということ
と、言うことは、
この方の演奏は、ここでは日常なのかもしれない
私も、もっと聴きたいと思いながら、
店内を移動する人の邪魔になるのも憚られて、その場を立ち去った
・・・そして・・・
あらためて、調べてみたら、あった!
産經新聞で、くわしく取材され、記事になっていたのだ

ニューヨークだったら、周りに人垣ができ、
ブラボーと声がかかるだろうに
私も、もっと演奏を聴いていれば良かった
声をかけ、大きな拍手をすれば良かった

こんな素敵な演奏家が、もっと沢山出没すればいいのにな
その演奏を、大らかに楽しむ東京にも、なればいい
ちょっと東京人は、クール過ぎるのかな
あるいは、私と同じで、恥ずかしかったのかしら

・・・ よし! ・・・
今度、ピアノおじさんに出くわしたら、
ニューヨークの路上では、いつもしていたように、
「 素晴らしい演奏! ありがとう! ブラボー! 」と、
拍手して、喝采することにしよう!

新・東京物語 | 14:51 | comments(2) | trackbacks(0)

紫陽花の がんばり
ajisai

梅雨の季節
紫陽花が、美しい
アジサイは、その字の通り、紫色

実は、
1ヶ月半前、母のKazukoさんが転んで、背骨を圧迫骨折した
元々、脊柱管狭窄症という病気で、足は不自由だったけど
手押し車を押して、何とか、歩いていた
だから、圧迫骨折なんてしてしまったら、もう歩くことは出来ない
痛みが猛烈に激しくて、寝たきりの生活
私も、Kazukoさんのいる伊豆を何度も訪れ、励ました
しかし、8月には85歳になる高齢
Kazukoさんも、私も、絶望的にもなった

・・・でも・・・

勝ち気なKazukoさん、この梅雨の季節に、リハビリを始めた
たとえ、シルバーカーを押しても、自分の足で歩きたい
車椅子生活になるのは、もっと、先に延ばしたい
イライラして当たり散らしたりはするけれど、
このエネルギーの塊が、Kazukoさんの原動力
どんなことをしても、歩けるように、なるんだ!

紫色の洋服を着たKazukoさんが、必死に足を出す
激しい雨にも負けない、美しい紫陽花だ
Kazukoさん・・・ガンバ!

mama

母 Kazukoさん | 17:27 | comments(9) | trackbacks(0)

乗馬って・・・むにゅむにゅ
馬

時間のある時には、ほんの、たまになんだけれども、
出来るだけ、乗馬に行こうとしている
と言っても、月に、2回ぐらいしか行けないけど
ただ、お馬さんに会えるだけで、優しい気持ちになれる

今の季節、馬銜(ハム)をはずすと、汗の後がびっしょり
・・・一生懸命、走ってくれたんだなぁ・・・
そう思うと、自分も汗だらけなのに、胸がいっぱいになる
乗馬の後は、おやつの時間
家でカットして来て用意した、人参かリンゴを、差し出すと
襲われるかと思う位喜んで、私の手元を探る
ムニュムニュお口が、手の平に触って、がっつく
時々、急ぐあまり、馬の歯が指先に当たると、
慌てて、お馬さんは歯の力を緩めて、離れる
大きなお馬の、小さな心遣いが、う〜ん、たまらない
いつまでたっても、さして乗馬は上達しないようだけど、
お馬さんに会えるだけで、乗馬は、素敵!

馬

乗馬 | 09:02 | comments(2) | trackbacks(0)

舞台の 短編集


パルコ劇場で、舞台「 LOVE30 」を観る
コンセプトは、上演時間30分、男女の俳優二人の恋愛ドラマ
30分の舞台が3本、言わば、「 舞台の短編集 」

観劇する度に、不思議に思うのは
上演時間が短いと、ほっとすること
チケット代を払うなら、長く演じてもらった方がお得なはずなのに、
短いと、「 ラッキー!」と、つい、小さく呟いてしまう
どんな舞台でも、お得なはずの長い上演時間は、損した気分
不思議だね
つまり、観客は、実質的な上演時間ではなく、
時間が凝縮された舞台を、期待しているということ

上演時間30分ぽっきり、3本勝負の今回の舞台は、
その意味で、大ラッキー
でも、30分で、観客の心に響かせなきゃいけないから大変
しかし、サラリとした大人のラブストーリーで、心地よい

その中で、最後の作品「 しゃぼん 」は、心に残った
それは、作品の中に「 毒 」が垣間見えるからだと思う
ストーリーは、
二十歳の時に、床屋の年上男を当惑させる行為をした女が
久しぶりに、床屋に訪れた再会を描いている
若さゆえの、年上の男への憧れと言う甘さ、一方での残酷性
そのあたりの毒が、柔らかなラブストーリーを引き締めている
同時に、若い女役の、ともさかりえさん、中年の松重豊さんにも
いい意味での「 毒 」があり、「 味 」がある
ともさかりえさんは、子供の頃から、俳優を始めていて、
当時からの「 透明感 」の印象が強いけど
そこに「 味 」が加えられ、大人の女優さんになったと驚いた
結婚して、子供が出来て、離婚して、
やっぱり、人生をちゃんと経験しているからなんだね
相手役の松重さんも、圧倒的に渋い大人の演技で絡むから
この作品の「 甘さ 」と「 毒性 」が、観客を引きつけたんだと思う

パルコ劇場で、6月21日まで、上演中です

in the audience 客席にて | 10:14 | comments(0) | trackbacks(0)

トニー賞は、ビリー・エリオット
 NYにお住まいの皆様には、もう周知の結果でしょうが、
ブロードウェイミュージカル「Billy Elliot」が
トニー賞を、10部門で獲得した!
おめでと〜〜〜!!!
私の中で、ベストミュージカルの作品だから、ホント嬉しい!
子供が沢山出演していても、大人もしっかり描かれている作品
胸の、はるか奥を揺さぶられるように、熱く感動する


日本で中継が放送されるのは、1週間遅れ
こんな時、NYにいないのが、ちょっぴり淋しくなるよ

in the audience 客席にて | 04:16 | comments(0) | trackbacks(0)

映画「ハゲタカ」 と ドラマ「ハゲタカ」
hagetaka
写真は、公式HPより

NHKのテレビドラマ「ハゲタカ」が放送された頃
私は、NYに在住していたから、見ることが出来なかった
最近の、TV再放送で、「ハゲタカ」を知り、唸った
物語の展開、撮影、全キャストの芝居に唸り、ファンになったのだ

今回の映画 「ハゲタカ」
楽しみに、映画館に行った
やっぱり、大人のドラマですごかった・・・秀作で、大満足!

・・・しかし・・・

テレビドラマを見た時の高揚感までには、至らない
確かに、隙のない濃密な6話分のドラマに、
二時間余りの映画は、太刀打ち出来ないのかもしれないね
と、言うことは
反対に考えれば、TVドラマも捨てたもんじゃないということ
最早、つまらなくなったとか、視聴率が取れないと言われるドラマ
そのドラマにも、「芽」があるのだと感じさせる

五年ぶりに日本に戻り、テレビを見て驚いたこと
同じ芸人さんやタレントさんが、繰り返し出演するクイズ番組の多さ
アメリカでは、クイズ番組は一般人が出演すると決まってるのにね
また、一方で、日本の質のいいドラマの数は、少なくなっている
でも、じっくり、のめり込むことの出来るドラマを
視聴者は、求めているのではないかしら
役者としても、そんなドラマに参加したいのに・・・とも思う

映画「ハゲタカ」を見て、感銘したけれど、
皮肉にも、TVドラマの「未来」をも、感じることが出来た

in the audience 客席にて | 12:24 | comments(2) | trackbacks(0)

その後のブータン Y氏の報告


ブータンのエキスパートで、今回の旅を導いてくださったY氏から
集中豪雨後の、ブータンのご報告をいただいた

ブータンのジグミ・ケサル・ナムグル・ワンチュク5代国王、
水に浸かった、ひとつひとつの村を、訪ね歩き、
被災者を、自ら励まし、回られたとのこと
ブータン放送の、サイトで、
「 おはしょり 」で、泥水の中を歩かれる国王の写真を
Y氏が見つけ出し、送ってくださった
そして、Y氏は次のように続けられた

******

この暴風雨が残した、
ただひとつの思わぬ「ポジティブな」置き土産は
増えた水量によって、南部地域に数カ所ある水力発電所が
フル稼働を続けていることです
流木などが、パイプや機械類を壊すのを避ける為に、
豪雨の間は、操業が止められましたが、
先週後半から発電を再開、
100万キロワット級の最大規模発電所も含めて5カ所の施設で
フルスピードの発電と
インドへの電力輸出が続いているということです

******

ブータンで出会った、素敵な人達は、負けてはいない
転んでも、ただでは、起きないんだ
集中豪雨で得た大量の水を、最大限利用して発電し、
その上、隣国のインドにも、電気を売る
これこそ、ブータンの幸せ力、幸せになる前向き力
ジグミ・シンゲ・ワンチュク4代国王が提唱した、
国民総幸福量、GNH(Gross National Happiness)だ
国民全体が、幸福になる為の尺度を一番に考える国、ブータン
GNP(国民総生産)ばかり気にしている国とは、ちょっと違う

下の写真、左の人物は、ガイドのシェラブさんと一緒の、Y氏
ブータンに精通されると、面差しも、ブータン人のよう
まるで、ブータンの高僧にも似た風情が、おありだ
Yさん、情報、ありがとうございました!



幸せの国 ブータン王国 | 07:22 | comments(0) | trackbacks(0)

ブータンの 幸せ底力

今回のブータン旅行は、
日本語ガイド、シェラブさんが同行してくれた
シェラブさんは、長く英語でガイドをしていたが、
1年半長野県に留学して勉強し、日本語のガイドとなった
たった1年半とは思えない流暢な日本語で、シェラブさんが言った
「この国の良さを日本人に伝えたいから、日本語勉強しました!」

シェラブさんは、誇り高く、熱く語る
「 この国が幸せでいられるのは、王様のお蔭なのです 」
その言葉通り、この国では、
4代国王と、昨年戴冠したばかりの若い5代国王の写真が
どの家でも、レストランでも、どこでも、飾られている
若き国王は、国中を回り、山奥の貧しい人々を見つければ
耕す土地などを与え、貧困から救っているという
国王への信頼感が、国民全体に染み渡っている
しかし、もし国王が悪政をした時には、
国民は、国王を不信任案で、地位から退ける権利を持つ
この案を成立させたのは、4代国王自身だというから、頭が下がる

こんなにもトップが、国民のことを、深く考えているなんて
何とも、私達日本人には、羨ましい話だ




しかし、ここで、辛いニュースが飛び込んで来た
何と、先週、ブータンは、記録的な豪雨に見舞われ、
洪水や山崩れ、落石、橋が流されて、大災害が起きているというのだ
しかも、全国で、死者や行方不明者も出ている
土砂崩れに巻き込まれた村人、
川に流された子供達もいるとのこと
確かに、舗装もされない道はガタガタとし、
山道では、大きな落石がそのままになっていたりした
私達も、旅行の時が少しずれていたら、巻き込まれていただろう
それにしても
私が会った、あの子供達は、あのおばあさんは、おじいさんは
だいじょうぶだろうか、元気だろうか
胸が・・・痛む

でも、あの王様がいるブータンだ
きっと、何とかしてくれるはず
ブータンには、幸せに向かう底力があるのだ

心から、ブータンの復興を、お祈りしています
















幸せの国 ブータン王国 | 00:28 | comments(3) | trackbacks(0)

ブータンの紫の花




ブータンのゾン(僧院)に
たわわに、紫の花をつけた巨木が多数見られた
名前を、ジャカランダという
周りが全て紫色に染まり、この世のものとは思えない
・・・世界中が、紫色・・・
この時期にしか咲かない花を見られたこと、一生忘れないだろう


幸せの国 ブータン王国 | 00:02 | comments(2) | trackbacks(0)

断崖絶壁 3000mの聖地へ 登る

ブータン人なら、
一生に一度は登りたい聖地タクツァン僧院
しかしながら、切り立った高地の3000メートル
馬で登る方法もあるが、ガイドのシェラブさんは、
馬に振り落とされて、とても危険だから、馬はダメですと言う

最初から辞退する人もいたが、
とにかく、経験したくて、自分の足で山に挑戦した
・・・しかし・・・
高地の上、急な坂だ
すでに、息が切れ出した
「 やっぱり、馬に乗ろう 」と、情けない私
山の入り口で、
ドイツ人観光客が馬を借りるのを、横目で見ていたから
一人戻って、馬を借りることにした
すでに、10分程登っていた山を戻って下り、
馬の貸し出し場へ、急いだ
・・・おや?・・・
沢山いた馬が、いなくなっているゾ
でも、やっと2頭残されているのを見て、安心し
早速、馬の貸し出しを、申し出た
でも飼い主は、首を振る
「 あれは、ダメ! 予約されてる馬だから。馬はいないよ!」
え〜! ウッソ〜〜〜!
馬がいないって、それじゃあ、私、また上へ引き戻るの?



すでに、かなり山を降りて来てしまっていた
でも、ツアーのメンバーに追いつかなければいけない
一人ぼっちで、トボトボと、登り出した
果てしない行程を思うと、急に心細くなり、涙も出そうだ
しばらく、淋しく、息絶え絶えで登っていると
なんと、上から、お馬の集団が降りて来るではないか
頂上で、人を下ろした、言わば空車、空馬だ
「 すみませ〜ん! その馬、馬、私、乗りた〜い!乗せて〜! 」
私の形相が、よっぽど必死だったのか、
飼い主は気圧されるように、
1頭を残して、残りの馬を、周りの枝に繋いだ
そして、無事、私は、お馬に乗せられて、登頂したのだ

確かに、狭く急な山道を、お馬に乗るのは無謀で
馬に慣れないと、振り落とされてしまう程、大変だ
でも、乗馬の経験で、私にとっては、ちょっと楽しい時間だった








途中、1時間で着いた休憩所で、他のメンバーに合流し
その後の頂上までの1時間、何人かが、馬チームになった
しかし最後の僧院へは、自分の足で、
長い長い険しい石段を下がって、また上がらなければいけない
「 空気が薄い 」ということは、
一歩進めることが、死ぬ程、苦しく感じられる



てっぺんの僧院で、お祈りをしてもらう

帰りは、突然、雷鳴が響き渡り、一気に土砂降り
もちろん、下山には、馬を使えない
長い長い道のりを、雨で滑ったりしながら、下山した
ブータン人の女の子が、雨合羽の代わりに、
どこで手に入れたか、東京都のゴミ袋を、かぶっていた

地上に一番に下りたら、まだ迎えのバスが来ていなくて
降りしきる雨の中を、びしょ濡れの野良犬達と雨宿りした

苦しかったし、心細かったし、びっしょりになったけど、
こんなことも、ブータンのいい思い出だ



幸せの国 ブータン王国 | 21:41 | comments(4) | trackbacks(0)