母kazukoさん 89歳 忘却の彼方
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母kazukoさんが、誕生日を迎えた
89歳
「 いつの間にか、こんな年齢になっちゃって 」
美術館の前でモデルのように横向きポーズをとりながら
感慨深げに、仰った
まあ、私だって、私の年齢に、いつもそう思いますけどね

横浜美術館のプーシキン美術館展に行き
近くのロイヤルパークホテル68階の
フレンチレストランでランチを頂いた

でもね
近頃は、せっかく心砕いて
色々イベントを計画しても、すっかり忘れてしまうから
時々、がっかりしたりもする
けれど、楽しい思いの積み重ねをしてもらえること
人生の、残っている隙間に
ワクワクする気持ちを押し込んでもらえれば
それだけで、私は幸せになれる

実は、kazukoさん
今月は、大変なことがあった
私の舞台「ミステリーナイト」の稽古場最終日の夜
kazukoさんが、救急車で搬送されたのだ
菌が体内に入り、高熱にうなされ、体中のけいれん
もしかしたら、脳梗塞の疑いもあると言うことになり
私は、稽古終わりで、病院に駆けつけた

正直な所、自分自身、風邪の咳がひどく
あらゆる咳止めの薬を飲み続けていた真っ最中で
連日稽古の疲れも、正に頂点に達していた日だった
だから、夜中の救急病院に駆けつけた時は
私自身が、フラフラ状態だったのだ
その上、くわしく書くのは控えるが
一部の救急の医師と看護師との、心ない問答があり
夜中の3時まで対応した病院の廊下は
薄暗くて冷たくて、悪夢の劇場だった
思い出したくもない夜

結局、翌日
脳梗塞の疑いも晴れ、熱も下がったkazukoさん
交渉の末、退院することが出来た
そして、順調に快復し
無事、楽しい89歳の誕生日を迎えられたのだ

「 私、この夏、本当に丈夫で元気だったわ! 」
kazukoさん、自慢げに、のたまう
救急搬送の話をすると
「 え〜! 救急車?入院? 全然覚えていないワ 」
と、笑った
いいよいいよ、覚えていなくて
あんな夜のこと、覚えていなくていい

kazukoさんの誕生日は、とってもいい日だった
美術館で、優しく接してくださる案内の方や
ひどく込み合った人だかりの館内では
車椅子のkazukoさんに
そっと絵画の前をあけてくださる方がいたりした
レストランでは
スープをこぼしてしまったkazukoさんが
「 このスプーンとかフォークが重過ぎたから・・・」
と、かわいい言い訳をしたら
お詫びしながら、お箸を持って来てくださった
お誕生日のケーキを出して、祝ってくださった
食後、ウェイターさんが、わざわざ地下の駐車場まで
車椅子の介助で送ってくださり
車のトランクに、重い車椅子を、丁寧に入れてくださった
その全て、一つ一つが
ありがたくて、ありがたくて、心に沁みた

多分、kazukoさんは、忘れてしまうんだろうけど
でもきっと、断片的に楽しい思いは、覚えているはず
あの68階からの、壮大な景色
雲の合間から、何本もの光が
地上に降り注いでいた、美しい情景
きれいだったね、kazukoさん
覚えてる?

忘れるのは、いいことでもあり、淋しくもあり

kazukoさん、おめでとう
来年は90の大台
がんばろう

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母 Kazukoさん | 12:29 | comments(0) | trackbacks(0)

ミステリーナイト、終わりました 
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稽古から、真夏1ヶ月の長丁場
演劇イベント「ミステリーナイト」が終わりました
沢山の方が見てくださったこと、楽しんでくださったこと
心から感謝しています

私の役柄はどんな役か、ご紹介しますね
まずは、夜9時開演の、事件編
時は26年前の田舎町で起きた殺人事件
犯人として捉えられたのが、私の役、国語教師の桜井静枝
リゾート開発反対のリーダーで、街の有力者を惨殺した罪

果たして・・・彼女が犯人なのか

冒頭、割烹着姿のシルエットで
撲殺する「想像のシーン」から始まります

プラスチックで出来た金属バットを振り回すのですが
実は、千秋楽に、大ハプニング!
殴る(真似の)勢いが余り、バットが何かに当たり
どこかに、カーンと飛んで行ってしまいました
薄暗い中を、目を凝らして見ると
舞台下に、どうもバットのような、それらしきものが・・・
はて、このままパントマイムで、殴る格好を、し続けようか
いやいや
バットで撲殺するイメージがなければ、物語進まないし
う〜ん
思い切って、舞台の下に飛び降り、暗闇の中、バットを拾い
もう一度駆け上がり、バット振り上げ、再開しました
それにしても
その間、殴られる側の役者さんは
じっと横たわって、待ってくれていたけど
どんな気持ちだったんだろう
ま、現実の世界なら、余裕で、逃げられますね

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出演、脚本、司会と大活躍、才能あふれる、佐野バビ市さん

ただ、終演後
この、飛んだ金属バット事件、お客様に聞いたら
これも演出かと理解されたそうで・・・ホッと、一安心

きれいな割烹着姿で、バット振り回し
一瞬、袖にはけて、血まみれの割烹着に着替え
顔中血のりでベタベタになるには、10秒もなく
メイクさんも、裏方さんも、衣装さんも、大騒ぎの舞台裏

そして、桜井静枝は捕われてしまうのですが
事件編は、26年前の
事件のあったお祭りの日の、町の人々を描きます

若草色のワンピース姿の私は、35歳の桜井静枝
隣が、永井若葉さん
肩に力の入らない素敵な芝居の若葉ちゃんは
事件編では、ほとんど実年齢

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事件編では、色々な人間関係を見せられるのですが
私に関しては、宮川一朗太さんと
高校生時代は恋愛関係にあったことが垣間見られ
一瞬抱きしめられ、でも突き放すという、哀しいラブシーン
お互い、そのシーンは、愛おしい気持ちになってしまいました

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そして、終演後、夜中の3時までに、お客様は犯人を断定し
一眠りした後
翌朝10時(あるいは10時半)に上演される、
犯人を解き明かす解決編を観劇します

解決編の舞台、時は、26年後の現在
全ての役者が、60代の設定で、老けメイクをします
老けメイクをしなかった例外は、3人

まずは、事件編で、26年前は母親を演じ、
解決編では、幼かった娘が成長した姿を演じる佐藤詩子さん
詩子さんは20代で、昔も今も、実年齢に近い役柄
だから、若々しく生き生きとした存在は、正に舞台の華

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二人目は、神崎孝一郎さん
実年齢が、老け役に近い年齢で、老けメイクは必要なく・・・
だから、若い34歳の時は、苦労なさって
「34歳です」と言うセリフで笑いをとっていらっしゃった

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二人で、舞台の合間に、ラーメン食べに行きました

そして、私の役、桜井静枝
61歳になった役柄と
一方で、回想シーンで、22歳を演じなければならず
61歳から22歳に変身し、その後、一瞬で61歳に戻る!
だから、メイクは変えず、カツラの髪型で年齢を変えました

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メイク担当の田中陽さんには、血のりもカツラも苦労かけました
あ・・・
田中陽さんは、あのトニー田中さんの、ご子息です!
まあ、こんなに立派になられて!
メイクの学校の教師もしていらして
実に、頼りがいのあるメイクさんでした

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そして、衣装も、一瞬で着替えなくてはいけません
61歳の時の、スウェット姿の衣装を着たまま
上から、22歳のワンピースを着ると言う荒技に出ました
だから
カツラと、ワンピースをいっぺんに脱げば、一瞬で早替わり!

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衣装は、中島エリカさん
実は、エリカさんは、昨年のミステリーナイトで知り合い
そのしっかりとした仕事ぶりに感心して
情報番組「PON」の3ヶ月ピンチヒッター出演の時にも
エリカさんに、スタイリストの一人としてお願いしました
だから、本当、現場にエリカちゃんがいると安心します

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他のキャストでは、冒頭に、一瞬登場の
岡部たかしさん
って言うか、実は、岡部さんは、今回は演出です
極めてナチュラルな芝居を突き詰め
また、千秋楽の直前まで、ダメ出しをしてくれたこと
役者にとっては、本当にありがたい、素晴らしい演出家でした
そして、陰で、岡部さんの演出を支えていた岩谷健司さんは
どっしりとした大きな器の一方で
サラリとした繊細な芝居
もう一人、岩田和浩さんは
全体を見ていて、バランス感覚優れ
いつもぼぉっとしている私に、そろそろ出番ですよ、と
何気なく声をかけて、しっかり支えてくれました

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左から演出の岡部たかしさん、佐野バビ市さん、神崎孝一郎さん

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左から、岩田和宏さん、岩谷健司さん

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まるで、老夫婦のような二人

あ〜、どうしよう
他にも、いっぱい紹介したい人がいるのだけれど・・・
プロデューサーの素敵な女性、城島和加乃さん始め
MCを担当してくださった岩本さつきさん
制作スタッフも、舞台スタッフも
本当に気持ちのいい方ばかりで
寝不足の私達以上に、超寝不足のスタッフは
不機嫌な顔一つ見せず、さわやかに接してくださった
でも、ふと見ると
舞台袖の暗闇で、つい居眠りをしてしまい
自分で頬をパンパンと叩きながら
急いで立ち働く姿を発見し、
私もがんばんなきゃ、と感動し、励まされました
本当にお疲れさま!
ありがとうございました!

そして、参加してくださった皆様が
ミステリーイベントにプラスして
芝居そのものを、充分堪能してくださったこと
心から嬉しく、感謝しています

2013年の、ひときわ暑い熱い夏も、そろそろ終わりそうです
・・・淋しいなぁ・・・

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福岡空港にて、佐藤詩子ちゃんのポスターを囲んで

ミステリーナイト | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0)

残るは福岡のみ ミステリーナイト
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東京、ホテルメトロポリタン
大阪、リーガロイヤルホテル
2都市、無事終了し、3日間のお休みの後
いよいよ、22日から
福岡、西鉄グランドホテルでの公演に乗り込みます!

いや〜、稽古期間から通して、ホント久しぶりのお休み
溜まっていた疲れが、だだ漏れしてしまいました
朝も目が開かない、起きても、昼にも目が開かない

なんせ、スケジュールが普通の公演とは違います
夜公演「事件編」の後、キャストスタッフの軽い打上げがあり
就寝出来るのが、夜中の2時半から3時
朝は7時過ぎには起床して
10時半からの朝公演「解決編」の準備
午後は、少し休み
また、夜公演「事件編」の準備を始め・・・・
の、繰り返しで、少し体はびっくりしてしまったみたい

敢えて、その面白い写真は載せませんが
大阪からの帰り、新幹線車内
全員がボロ切れのように、体を折り重ねて爆睡状態でした

お客様にとって
普通の舞台と違う、充実感倍増の芝居にするには
演じる方も
ある意味、命削らなきゃいけないのかなぁ

では、特別に
最後の福岡公演に向けて
ほんの少しだけ内容を

と言っても、誰が犯人だか推理する材料にはなりませんけど
私の役、国語教師の桜井静枝
冒頭に早替わりしなければいけません
その写真が、これ
必死に早替えする合間に、カシャっと鏡に向かって撮影
いかが?
怖い?
酷暑の夏、少し、涼しくなっていだけましたか?
でも、周りの
左端、お腹しか写っていないメイク田中陽さんも
その横の、スタイリスト中島エリカちゃんも
笑っているから、怖くないのかな

では、福岡の皆様、お会い出来るの、楽しみにしています!
( まだ、福岡はお席をご用意できるそうですので
ご興味ある方は、西鉄グランドホテルまで
福岡は夕食付きで、お得です! )

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ミステリーナイト | 10:49 | comments(0) | trackbacks(0)

ミステリーナイト 舞台より ドラマチック
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何だか、あっと言う間なのだけれど
ミステリーナイト東京公演、あと、一回です
一回というのは、2公演のこと
夜の9時と、翌朝の10時半の2公演で終わり
あまりにも、あっという間

普通の舞台と違うのは
犯人を推理するお客様の高得点獲得者の授賞式があります
最優秀探偵賞を授与され
ホテルの宿泊券など、豪華な賞品もあり
参加費27000円の、倍返し3倍返し4倍返しとなります
( 半沢直樹のセリフが、楽屋でも大流行! )

今回の最優秀探偵賞は、ご夫婦で参加されていた奥様
旦那様は、3位でしたから、高得点夫婦です
6年前に、独身の二人がミステリーナイトを初体験
その後結婚して、毎年この企画に参加し
そして、何と、奥様が最優秀賞を獲得した本日が
二人の結婚記念日!

ミステリーナイト
普通の舞台と違うのは、
舞台以上の人生ドラマが
客席にあるところなのかもしれません

東京の次は大阪、福岡と、一気に千秋楽に向かいます

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前列右から2人目の方が最優秀賞、お隣が旦那様
とても幸せな結婚記念日

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演出の岡部たかしさんを囲んで、出演者全員

ミステリーナイト | 14:31 | comments(0) | trackbacks(0)

ミステリーナイト 思わぬプレゼント
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演劇イベント、ミステリーナイト「イスカの嘴」一日目
夜の事件編公演と、翌朝の解決編公演が終わった
無事、初日が開けた、と、言うべきか

イベント終了後、見知らぬ女性が訪ねてくださった
そして、雑誌「サッカーダイジェスト」を手渡される
え? 
なぜ私がサッカーファンだと言うことをご存知なの?
何と
1年以上前に、サッカーダイジェストの取材を受けたことがあり
その際の、編集担当Tさんのお母様が
たまたま、ミステリーナイトに参加されていた
編集者Tさん自身は、
サッカー誌の記者と言うよりは
ファッション誌担当に見える、愛らしい女性だった
そのTさんにそっくりで
楚々としたお母様が声を掛けてくださったのだ
「 私は、ミステリーナイト、4回目なんですよ
娘から、雑誌を預かって来ました! 」
何と、嬉しいこと!
舞台のことで精一杯で
サッカーから遠ざかっていた私には
思いもかけないプレゼントでした

ミステリーナイト
昨年、舞台に出演して驚いたのは
観客の皆様の、真摯な情熱と知的な好奇心
一度参加したら、虜になり、リピートされる
他の舞台では味わえない面白さがあり
人生を楽しんでいるゾ!と言う余裕が
客席から感じられるのだ
だから
出演するこちらも、普通の舞台では味わえない感動を知る
その感動の虜になって
2回目のミステリーナイトの夏を
私は過ごしているのかもしれない

次は、出演者の皆様を
ご紹介出来たらと思っています

ミステリーナイト | 14:28 | comments(0) | trackbacks(0)

いよいよ明日、ミステリーナイト!
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ミステリーナイト、稽古最終日
稽古終わりに、みんなで
劇場空間となるメトロポリタンホテル「富士の間」を覗いた

まだまだ、舞台と言うより、観客席の設営
ホテルのスタッフの皆様も、舞台スタッフに混じって
汗かいて、丁寧に、一つ一つ椅子を並べていらした
酷暑の中、ありがとうございます!

いよいよ明日の夜、ミステリーナイト開幕です!

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ミステリーナイト | 20:42 | comments(0) | trackbacks(0)

ミステリーナイト 稽古順調
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ミステリーナイトの稽古場
稽古場って、こうやって、あらためて写真に写すと
閑散として、雑然としていて、少し汚く見えるなぁ
でも
これこそ、やっぱり稽古場!

ミステリーナイトは、
事件編と解決編の2作品で構成されている
ようやく出来上がった解決編の謎解きセリフ
みんな、長い膨大な説明セリフを覚え、必死に喋る
私は、解決編のセリフは、そう多くないので
他のキャストの努力のスゴさに、頭が下がる思い
偉い! さすがプロ!

その中でも、一番セリフ覚えが早かったのが
宮川一朗太さん
放送中の高視聴率番組「半沢直樹」にも出演中
宮川さんとは
ちょっとしたラブシーン(?)らしきものがあるので
ツーショットで「パシャリ」としてみました
いかが?
いわくありげな二人に、見えるかしらん?

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ミステリーナイト | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0)

イスカの嘴 冒頭シーンは、アクション?
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ミステリーナイト 演劇イベント「イスカの嘴」
稽古、順調に進んでいます!

くわしくは言えないのですが
私、冒頭に、少しアクションのシーンあり
立ち回りの振りをつけてもらいました
劇団東京ミルクホールの俳優でもあり
殺陣師でいらっしゃるコースケ・ハラスメントさんに
稽古場に来ていただいて
特別な「個人レッスン」!

マスク着用で、殺陣を練習する私の表情は
ちょっと情けなく、格好悪いのですが、真剣そのもの
ほんの一時間振り付けてもらっただけで、汗びっしょり
全ての冒頭シーンだからこそ
しっかりとした殺陣が、本当に必要なのだと実感した次第

下の写真、左が演出家の岡部たかしさん
右端が脚本と出演の、佐野バビ市さん
で、私のお隣
あら、殺陣を振り付けた時の顔とは打って変わって
コースケ先生、変なお顔で、歌舞伎の見栄を切っていらっしゃる!

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ミステリーナイト | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0)