平成の時代って
へえ! 30年もあったんだ!
いつまでも、「平成」に慣れなくて
もしかしたら
あまり「平成」と言う文字が
何の理由もないけれど
好きじゃなかったのかもしれない
元号と言えば、いつも「昭和」と浮かび
いやいや、平成だった、と
頭の中の「昭和」の文字を
消しゴムでゴシゴシ消していた感じだ
そんなこと、私、30年もしていたのか
でも、「令和」は、感覚的に好き
すぐに、体に脳に、刷り込まれそう
頭の中の消しゴムもいらないかもしれない
昨日
kazukoさんの施設を訪れたら
部屋のクローゼットに
達筆な「令和」と言う文字が
ペタリと貼られていた
今年の初めには、もうこのまま
寝たきりになると思っていた
94歳の高齢だから
平成で終わりでも仕方ない
そんなことを、思われていたkazukoさん
「 えぇ〜〜! ママ、書道できたの?」
と聞いたら
「 そんなの、私、書いてないの、
おかしいのよ 」
そんなことはない
明らかに、文字は、kazukoさんの文字
署名まであった
施設のお習字の時間に、書いたらしい
忘れてしまったんだね
あぁ、なんて、嬉しい!
指も使えなかったはず
食事のスプーンも持てなかった
言葉も「うぅ」「あぁ」しかなかったのに
あのお花見以降、めきめきと回復していた
ただ
体は、骸骨のように痩せ細っていた
ふと思い付き
タッパーウエアに
色んなお菓子を入れて
kazukoさんの枕元に置くようにした
少しでも、体重を増やしたいから
食べられるものを出来るだけ入れた
大好きな、甘納豆やチョコレート
でも、乳酸菌チョコの個別包装は
不自由な指では、開けられなくて
こちらが、開けて入れていた
でも、ある日、時間かけて
自分の指で、開けられるようになって
そしたら
入れてあるチョコ、全部食べてしまった
でも、いいの
好きなものを、好きなだけ食べればいいの
やがて、指が自由に動くようになった
94歳にも、未来は、ある
文字を見ていたら
令和の時代
いいことだらけの気がして来た
もちろん、色んなことはあるだろうけど
このkazukoさんのお習字は
私の、令和のお守りにしようと思う
大正、昭和、平成、令和
すごいよ!
四つの時代を生き抜くなんて!
さ、平成をぶっ飛ばして
令和に、向かおう!